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2013年5月18日土曜日

開業医レベルの高さ、それが日本の根幹

開業医レベルの高さ、それが日本の根幹 - 小森貴・日本医師会常任理事に聞く◆Vol.1 医師同士が尊敬し合える体制作りが必要 2013年5月16日 聞き手・まとめ:橋本佳子(m3.com編集長)  長年の懸案だった専門医制度の見直しが、今年度から本格化する。厚生労働省の「専門医の在り方に関する検討会」はこの3月に議論を終え、4月に報告書を公表。専門医の認定などを行う第三者機関の新設と、総合診療医を基本領域の専門医の一つに位置付けることが柱。2017年度からの新制度スタートに向け、今年度中には第三者機関が設置される見通しだ。  一連の見直しは、国主導ではなく、医師のプロフェッショナル・オートノミーで進めるのが基本。その責任を担う立場にある日本医師会の常任理事を務める小森貴氏に、専門医制度見直しに対する考え方や今後の見通しについてお聞きした(2013年5月10日にインタビュー。計4回の連載)。 ________________________________________ ――今回の報告書をどう評価されていますか(『「医師不足」消える、専門医制度の最終報告』を参照)。  確認のために、まず我々の根底にある考え方を説明します。今後の高齢社会で大事になってくるのは、地域包括ケア。その実践には、本当の意味での連携が重要であり、医師がグループを組みながら、また個人的にも連携を取りながら、診ていくことが一番大事だと考えています。 「私は総合診療医だけを生涯続ける人は極めて少ないと思う。(各科の専門領域を)必ず勉強したくなるはず」(小森貴氏)。  現状では、「各科専門医」と「各科専門医の能力を有する、かかりつけ医としての開業医師」が相互に連携しています(図1、文末に掲載)。日本の開業医師は、各科専門医として10~15年診療した上で、専門医としての能力を持って開業しているのが特徴です。  私は耳鼻咽喉科の開業医師ですが、金沢大学の私の後輩の主任教授も、金沢医科大学の主任教授も、私のことを尊敬してくれている。私が彼らに手術を教えてきたから、これは当然。時には「何をやっているんだ、どけ」と言って、手術を代わって、背中を見せて育ててきた。だから、金沢大学の主任教授は「小森先輩から送られてきた患者。大事に診なければ」と思い、後輩や研修医たちにもそう教える。研修医は敬意を込めて私たちに返事を書くし、私は、かわいい後輩から尊敬される医師であろうと努力をする。それで初めて連携ができる。  では海外ではどうか。フランスの場合、卒業した段階で全国選抜試験をして、成績がいい方から順番に、各科専門医になる。能力がないのか、努力しなかったのか、何か事情があり試験どころではなかったのか、あるいは人生に悩んで自殺さえ考える大変厳しい状況だったのか……。理由は分からないけれど、各科専門医になれなかった人が、GP(general practitioner)になる(図2)。イギリスは2年間の初期研修を終えた後に、各科専門医かGPかを選ぶ。ブレア政権の時に、GPをもっと評価しようということで、GPの給与を上げたりしたけれど、GPになった人は、その後、スペシャリスト(各科専門医)になることはない。反対に、スペシャリストになった人は、GPにならない。お互いが「自分がいい、自分がいい」と言っている。  フランスやイギリスのような仕組みで、各科専門医と総合診療専門医が、本当の連携ができるのでしょうか。「お互い尊敬し合って」というけれど、お互いの顔が見えない。私は難しいと思う。だから、こうした集団にしてはいけない。  「総合診療医は、要るよね」「そうであれば、各科専門医は少なくていい」といった話があります。総合診療医の話をすると、「各科専門医と総合診療専門医のみ」といった姿を思い浮かべて、議論している人が結構います(図2)。私は、それは絶対に間違いだと思う。私たちは、今のスタイル、つまり各科専門医としての深い能力を持った上で、広い総合的な能力も持つ、かかりつけ医がその間にいる形が最もすばらしいと思っています(図3)。開業医師のレベルで、相当部分の診療ができる。 ――イギリスなどでは、GPの充実を図っていますが、先生は、そうした体制はあまり評価されていない。  イギリス、フランス、オランダ、あるいは米国などに行っても、GPには診断機器がほとんどなくて、ただ「中継」をする。「レントゲン。これは放射線技師のスペシャリティを重んじる世界なので、予約を取って上げますね」となる。エコーや内視鏡もそう。CT は米国では保険がなかなか効かない。仮にOKが出た場合でも、当然クリニックにはCTはない。  では日本はどうか。例えば、30代くらいの方が、「何か最近、胃が痛い。差し込むみたいに痛い」と訴えてきたとします。タバコも最近、増えてきたという。胃癌、肺癌、心筋梗塞、胃潰瘍かな……。これくらいの病名ならば、一般国民は皆知っており、早く結論を出してほしいと思う。そうした日本人が、米国やフランス、イギリス、オランダに行っても、絶対に満足しないでしょう。  日本の通常の開業医師は、相応の設備を持っている。内視鏡で胃潰瘍が見つかる。それで心電図やレントゲンを撮って問題なければ、「胃潰瘍はあるけれど、心筋梗塞は問題ない」といった程度は分かる。近くにCTが撮れる医師はたくさんいる。「今日、せっかく会社をお休みしたのなら、肺癌がないかどうか、CTを撮っておけよ。午後3時に予約が取れたから。だけどタバコはやめないとダメだよ」。こうなれば1日で解決する。だから安くつく。同じ行為を諸外国でやったらすごく高い。  つまり、日本の一般の開業医師のレベルは非常に高い。それは各科専門性を持っているから。いくらプライマリ・ケアの延長で、努力して深めても、結局はそこまで行かず、全ての専門医が尊敬できる存在までにはならない。私は耳鼻咽喉科医だけれど、整形外科の先生を尊敬します。骨、関節、筋疾患について、私が知らないことをものすごく深く知っているから。眼科の医師も尊敬しますよ。眼については私の何万倍も知っている。そういうお互いの尊敬があって、初めて連携できる。  私は石川県の奥能登や舳倉島(へぐらじま)などの地域に定期的に赴き、31年間へき地診療を続けています。こうした地域には、総合診療医が要ります。離島のたった一人の医師は、総合診療医の方がいい。そして、総合診療医を目指して、それを生涯の自分の夢として努力していこうと今思っている2%程度の医師たちがいる。  これまでは、彼らを評価する道が閉ざされていたけれど、それを評価しないのは、私は失礼だと思う。実際に必要な場面があるから。今後、首都圏あるいはその周辺の地域にも、そうした医師が必要になってくる可能性はあると思います。ただ、彼らの意見と違うのは、私は総合診療医だけを生涯続ける人は極めて少ないと思う。(各科の専門領域を)必ず勉強したくなるはずです。    図1 現状の日本の各科専門医と、かかりつけ医の関係(提供:小森貴氏)   

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